第4回シャドウバース初心者講座『進化システムとは?』

      2016/08/11


今回、進化システムについての意見をまとめるために、公式ライターのkuroebiさんにインタビューを行いました。
その会話の様子をご紹介いたします。

※ブログ記事用に分かりやすく改変している部分があります。
全てが僕やkuroebiさんの言動そのままとは限りませんので、ご了承下さい。

― それでは、シャドウバース初心者講座ということで、「進化システム」について話し合いたいと思います。
kuroebiさん、よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

シャドウバースに「進化システム」がある理由

― まず、「なぜ進化システムが必要になっているか」について話し合いましょう。

わかりました。まずは基本的に、シャドウバースの有利/不利は盤面の状況によって決まります。
そして有利不利を覆す手段は、基本的にカードにはあまり含まれていません。
それを実行できるのが、進化というシステムなんです。

基本的に先攻が盤面を取りやすいので、後攻側は1ターン早く進化でき、なおかつ回数も一回多い。
それがシャドウバースにおける、先攻/後攻のバランスの取り方です。

後攻は1ターン早く進化でき、回数も1回多いのに「先行有利」な理由

― なるほど。現在は「先攻の勝率が約6割で先攻有利」というデータが公式から出ていますよね。
僕も先攻の方が有利だと感じていますが…進化できるのがが1ターン早く、回数が多くても、そこまで状況有利にならないですよね?

はい。

― 後攻が1ターン早く進化して、状況が5分~微有利ぐらいになります。
でも、対戦相手も進化してきて、こちらがまた不利になりますし…。

進化3回使ってやっと盤面を返したと思ったら、先に強力なフォロワーを出されて…。ずっと後手なんですよ。

このゲームの大前提として、数字の足し引きだけで考えていけばいいと思うんですよね。
先攻が何かをプレイすると+1、後攻が何かをプレイすると+1で±0。

1,0,1,0,1,0…という風な応酬のなかで、後攻が+1になるための手段が進化だと思うんですよ。

でも現状は先攻が+2になって、後攻が何も出てないという状況があります。

― 乙姫なんかは「+2以上」にしやすいカードですよね。

C_101241010

C_900241010

ファンファーレ 乙姫お守り隊を場が上限枚数になるまで出す。(上限は5体)

そうですね、乙姫はまた別の役割を持っていますが、端的にいうとそういうカードが多いです。

― 5~7コストくらいのカードが+2や+3の効果を持っているので、先攻が先に+3した方が有利になりますよね。

そうですね、そして困ったことに、ロイヤルは3ターン目に「+3」を狙えるんですよ。

― フェンサーですね。いつも悩まされています。

先攻でヴァンガード不屈の兵士フェンサーの動きができれば、相手の2/2をフェンサーで強化したヴァンガードで倒して、場に2/1 , 2/2 , 2/2が並んで、「+3」ですよね。

そして、後攻側は3コストの基本的なステータスが3/2なので、2/1のヴァンガードでやられます。
で、またフォロワーを追加して「+3」の状態で先攻4ターン目を終えられるんですよ。

そうなると、後攻側が例えばドラゴンウォーリアを出して2体倒して、やっと五分なんです。
それぐらいの差ができているんですよね。
フローラルフェンサーは割りと逆転に繋がる手段ですけど、1/1は2/2に倒されるので、実質+0.5ぐらい…。

― 次の相手の進化でまた潰されますよね。

相手の進化もまた、+2で返してきますからね。
盤面の有利不利を天秤に例えるとすると、本来であれば後攻側が大きく天秤を傾けられなければならないゲームシステムになっているのに、大きく傾けることができないのが現状です。

それが、先攻6割有利の理由になっていると思います。

進化システムの使い方

いつ、進化するのか

― 続いて、「進化システムの使い方」について話し合いましょう。
フォロワー同士で有利なトレードをするのがメインになると思いますが、進化して相手リーダーを攻撃することもありますよね。または「進化しなくても良いタイミング」もあると思います。その辺りを詰めていきたいですね。

わかりました。まずは、進化というのは基本的に被せ合いになると思います。お互いに進化を使い合って、盤面を有利にしていくわけですね。
逆を言えば、盤面が有利であれば、進化しなくても優位を保てる場合があるんですよ

―「自分の場にいるフォロワー全てを使って相手のフォロワーを倒した後に乙姫を出す」みたいな場面だと、進化を使わずとも有利になりますよね。

そうですね、「フォロワーが全滅しても乙姫だせば関係ないわ」みたいな。そうなると進化するまでも無いんですよ。有利な状況では、進化する必要は無いと思っています。

― そこが難しくて…。例えば自分の場に2/3が居て、相手の場に2/2が居るとします。(画像を参考にして下さい)
本来はもっと攻撃力や体力が高く難しい盤面なんですけど、わざと簡略化して説明しますね。

これって進化しなくても倒せるじゃないですか。こっちに2/1のフォロワーが残りますよね。
でもこれだと、1点ダメージを与えてくる呪文で破壊されることもあるし、相手がフォロワーを出して進化して、体力が3~4の場合は一方的に倒されますよね。

ev1

― でも、もし進化して4/5で2/2を倒しておけば、4/3で場に残るので1~2ダメージの呪文で破壊されることも無いし、相手の進化フォロワーも倒すことができます。
こういった「進化しなくても良い進化をしなくてはならない場面」がたまにあるのが難しいと思っています。

ev2

なるほど。そもそも大前提にして良いのか分からないんですけど…。
シャドウバースってカードが少なく、デッキのバリエーションも少ないんですよ。
だから、相手が取りうる行動ってまだまだ想像しやすいんですよね。

やらなくても良い進化の裏目は、ほとんどの場合で除去呪文になりますよね。
この画像の例で言うとウィンドブラストが裏目であり、デッキに入っている可能性がかなり高いです。

C_100314040

相手のフォロワー1体に1ダメージ 。
スペルブースト +1ダメージ

そういった「裏目のカード」が相手のデッキに入っているかどうかを考えることができれば、難しいことでは無いと思います。統計的に、どのデッキにどのカードが入っているのかが自分の中にあるかどうか、ですね。

僕はシャドウバースは最悪のケースを常に考えるべきだと思っていて、最悪の動きをされなければ、自分がまだまだ有利になると。そういうゲームだと思っています。予防のために投資するのは全然良いことだと思いますよ。

― なるほど、僕はまだ統計的なデータの蓄積が甘いので、難しく感じるようです。
ただし、あくまで統計的なデータであって、特定のカードが入っていないという確証が無いのが怖いところですね。

基本的な使い方

― 初心者講座と言いながら、ちょっと濃い内容が続いてしまいましたねw
ここで一旦、基本的な使い方をお話しましょう。やっぱり、一番は「進化して相手のフォロワーを一方的に倒す」ことですよね。

はい。進化は不利な状況を有利にするためのシステムなので、できる限り相手のフォロワーを一方的に倒し、1:2交換を狙っていきましょう。

― 例えば進化して4/4のフォロワーで相手の5/4を倒すか3/2を倒すか選べる場合、よほど自分リーダーの体力が少ないということで無ければ3/2を倒しますよね。

そうですね。カード1枚で相手のカードを2枚消費させられる可能性があるので…。ただそれも手札と相手のデッキ、状況次第ですね。
あとは相手リーダーの体力を詰めていく段階で、進化を使えば確実に0にできるなということであれば、積極的に使いたいですね。

― 進化を使って、相手のリーダーを攻撃するということですよね。

はい。進化したフォロワーで2回攻撃できれば、4点分得をするんですよね。
4点というと、フォロワー1体以上に得をしていることになります。カード1枚分と言っても良いかもしれません。

そう考えると、カード1枚分の得ができる4点というのはものすごい得で、進化で相手のフォロワーを倒すのと同じぐらいの利益が自分にきますよね。
ですので、進化して相手のリーダーを攻撃するというのも、戦略のひとつとして成立するわけです。

進化回数の違い

― 先攻は2回、後攻は3回じゃないですか。そこで戦略的にも分かることがあると思っています。

例えばデュラハンなんかは進化したときにだけ効果を発揮するフォロワーですよね。
こういったフォロワーって、先攻のとき、進化権を使いきったあとに引いたりして悔しい思いをしています。
でも後攻だと、進化できる回数が多いので効果を発揮しやすいと思うんですよ。

C_101521100

進化時 自分の墓場を+4する。

そうですね。ただそう聞くとデュラハンは後攻で強いように聞こえますが、本来は先攻で強いフォロワーなんです。
なぜかというと、先攻が進化できるタイミングは5ターン目なので、デュラハンのような5コストフォロワーを5ターン目に進化させるのは強い動きといえますよね。

確かに。引くことができるんだったら先攻の方が良いですね。

では、この例はどうでしょう。ルシフェルは進化すると相手リーダーに4点ダメージを与えることができます。
この効果を利用したい場合、先攻だと進化権が2回しかないので、8コストのルシフェルまで進化を取っておくことが難しいですよね。その点、後攻の方が圧倒的にルシフェルを進化させやすいと思っています。

C_101041020

進化前:自分のターン終了時、自分のリーダーを4回復。
進化後:自分のターン終了時、相手のリーダーに4ダメージ。

その問題に関しては、ルシフェルのカードデザインについて、僕の考えがあります。
ルシフェルは先攻と後攻で役割が違うフォロワーなんですよ。進化前は自分のリーダーを4点回復するフォロワーですよね。
でも、進化するとステータスが9/8と、このフォロワーだけ+3/+1の修正を受けて、更に毎ターン相手リーダーに4点ダメージを与える攻撃的なフォロワーに変化します。

このカードは、そもそも後攻用に作られていると思います。
先攻の方が盤面を取りやすく、ライフも詰めやすいですよね。

― 確かに、先攻側が一方的にリーダーを攻撃できて、後攻側は防戦一方。
気がついたら相手の体力は20のまま、こちらの体力は10前後…なんてことになることも良くありますよね。

そう。でもルシフェルを進化させて相手のリーダーを攻撃することができれば、17点は与えられる計算になります。
※効果ダメージ2回+直接攻撃1回のダメージ量です。
後攻側の逆転要素として、このような効果になっているんじゃないかなと。ですので、「後攻の方が圧倒的にルシフェルを進化させやすい」という点に関してはこれでバランスが取れているわけですね。

― なるほど~!後攻用に作られたフォロワーだとは考えもしませんでした。

以上を持ちまして、進化についてのインタビューを終えたいと思います。
kuroebiさん、ためになる攻略情報をありがとうございました!

こちらこそ、ありがとうございました。

こうやって上級者の考え方を聞くだけでも、大変参考になりました。
もし機会があれば、3~4人でシャドウバースの攻略情報について語りたいたいものですね!

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